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珈琲とは私にとって眩しい青春そのものです

珈琲とは、私にとってなくてはならない大切なものです。
最近になってその効能については、ずい分色々なことが解明されてきました。
特に病気の予防として、パーキンソン病、大腸がんや直腸がん、2型糖尿病などの発症のリスクの低下が確定されています。
私はコーヒーを毎日のように、マグカップに2杯は飲んでいます。
それまでは、飲むと胃に良くないということを聞き、飲まないときもありました。
でも、あの独特の香りとほろ苦い味が好きで、きっぱりとやめることが出来ません。
そこで私は、飲み方や飲む量などを調整したりしました。
それがよかったのか、胃の調子も体調も悪くありません。
私と珈琲との出会いは、ずっと昔のことになります。
私の両親が、私が小学5年生の時に、インスタントコーヒーを飲み始めたのがきっかけでした。
両親は、コーヒーはカフェインが強いので、子供にはよくないと言って、滅多に飲ませてはくれませんでした。
たまに飲ませてくれたとしても、牛乳とお砂糖をたっぷり入れたコーヒー牛乳でした。
それでも私は、生まれて初めて味わう、香ばしい珈琲の味と香りに夢中になりました。
今までコーヒーだと信じていた市販のコーヒー牛乳とは、雲泥の差でした。
私はインスタントコーヒー独特の苦みが好きな、ちょっと変わった子供でした。
やがて私は両親に内緒で、こっそりコーヒーを飲むようになりました。
最初は牛乳とお砂糖を入れて飲んでいたのですが、そのうちお砂糖だけを入れて飲めるようになりました。
そんなことをしていると、自分が何だかすごく大人びた気がしたものでした。
コーヒーのほろ苦さを覚えた子供は、やがて夢見る乙女へと成長します。
高校生になった夢見る乙女は、テニス部に入るような活発な子でした。
そんな乙女の憧れた異性は、物静かな美術部の先輩でした。
どこか大人びて寂しげな先輩は、背が高く、華奢な感じでした。
整った顔立ちの先輩はまさに、その頃流行っていた少女漫画の主人公の相手役そのものでした。
私にとって憧れの先輩とは、生きる希望そのものでした。
私は毎朝起きて先輩のことを思い、テニスの早朝練習をすればまた先輩のことを思います。
勉強の集中力が切れると、私はまた先輩の顔を思い浮かべています。
楽しみなお昼の時間も、ふと先輩の声を聞いたような気がして、突然、周囲を見回したりしました。
私はこの時、先輩の声はまだ聞いたことはありません。
それなのに私は、実に鮮明に、先輩の声を聞いたつもりになっていたのでした。
やがて私は、先輩を思い浮かべるだけで泣いてしまうようになりました。
胸がいっぱいで、どうにもなりませんでした。
こんな私を見かねた私の親友が、憧れの先輩とデートをするチャンスを作ってくれました。
この時はもう、世界が一回転したかと私は思いました。
デートの日、私は生まれて初めて、本当に本物の珈琲に出会ってしまったのです。
有名なその喫茶店は、入口のところに悪魔のように黒く、地獄のように熱い、という文句が掲げられていました。
美しいカップに注がれた黒くて滑らかな艶と香ばしい香り、それに目の前にいる憧れの先輩。
もう私、死んでもいい。
私は本気で思いました。
私は感激で涙が止まらず、この時の先輩は困惑していたのかどうか、今となってはわかりません。
あまりにも眩しすぎる憧れの先輩と美しい黒い珈琲とのひと時でした。

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